漢方治療

生理痛・生理不順・不妊でお悩みの方

 

●生理痛

生理痛の原因は、子宮の強い収縮と考えられています。

生理(月経)は不要になった子宮内膜が剥がれ、外に排出される現象です。

 

子宮内膜で生理活性物質(プロスタグランジン)が作られ、子宮の筋肉が収縮します。この物質の量が多すぎると、収縮が強くなり、痛みを感じます。

 

生理痛の原因を漢方医学で解釈すれば『瘀血(おけつ)』のことです。つまり、血流の流れが悪くなったのです。三千年前の漢方の経典にはすでに「不通則痛」という言葉がありました。

 

また体質、環境、結婚、出産などによって生理痛のパターンも異なり、治療方法も違います。

大別すれば以下の5種類があります。

 

<1>気滞血淤型・・・ストレスによるもの

<2>陽虚内寒型・・・冷え症によるもの

<3>気血虚弱型・・・貧血、痩せ過ぎによるもの

<4>湿熱下注型・・・炎症・感染などによるもの

<5>肝腎虚損型・・・ホルモンバランスの崩れによるもの

 

●生理不順

生理不順は思春期や更年期では一般的に起こり得る症状です。

これは、体が大きく変化する時期には女性ホルモンのバランスが崩れやすいためです。

では、それ以外の時期に起こる生理不順の原因は何なのでしょうか。

 

実は、一概に申し上げることはできません。ホルモン分泌の異常、子宮内膜増殖症・子宮筋腫・バセドウ病・糖尿病などの病気、ストレスや過度のダイエットによる無排卵など、症状によって様々な原因が考えられます。

 

●不妊

不妊症は「避妊をしていないのに、2年以上妊娠に至れない状態」と定義されています。

原因は女性側、男性側に分かれます。

 

女性側の原因は、ホルモン障害、子宮内膜症などの病気、卵管の異常などが考えられます。

男性側の原因は、無精子症、乏精子症などが考えられます。

 

しかし、過度のストレスが原因の場合や、全く原因が分からないことも少なくありません。

漢方が使われるのは、おもに卵巣や脳のホルモンの機能障害と原因不明の不妊の場合です。

女性には温経湯や当帰芍薬散、男性には補中益気湯などを体質、症状に合わせて使い分けます。

 

最近ではホルモン療法との併用治療も増えています。

生理痛、生理不順、不妊症の原因は非常に多岐に渡ります。私たちの体は非常にデリケートです。

思いもよらぬことが原因かもしれません。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。